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【NZワーホリ】腰痛でオークランド病院に行ったら代金が0円だったお話

こんにちは。もち(@moti_1126)です。

突然ですが、皆さんは腰痛になったことはありますか?

私はあります。といいますか、これを書いている現在進行形で酷い腰痛に悩んでおります。

腰痛があまりに痛くて病院に行ってきたのが昨日(2019/5/20)のことなのですが、ちょっと衝撃を受けたので記事に残しておきます。

NZの病院で、救急センター(エマージェンシー)に行って、病院代金10万円くらいは覚悟していたのに0円!?

という衝撃です。

ちなみに海外の病院に行くのはこれで2回目でして、前回は一年以上前に語学留学先のフィリピンで食中毒になっていきました。

その時の記事はこちら↓

病院に行った原因:腰痛

病院に行った原因は表題にもしていますが『腰痛』です。

たかが腰痛、されど腰痛。腰痛って普段はまったく気にもかけないのですが、ひとたび腰痛になると本当に本当に何もできなくなるんですね…歩くことにすら激痛が。

私の場合は仕事(レストランのウェイトレス)中に重いプレートを変な体勢で持とうとしたために腰をやりました。

とはいえ、休んだりすれば動けてはいたので、何とかなるだろうと働き続けていたら、その二日後に仕事中本当に痛くなり、その場で職場のボスに電話をかけて病院に行くことになりました。

腰痛って本当に怖いです。皆様もお気をつけください。

駆け込んだ病院:オークランド市立病院(Auckland City Hospital)

私が住んでいるのはニュージーランド北島のオークランドの中でも下の方にある『マウント・ウェリントン』という場所です。

家近くにも病院はあったのですが、職場同僚の

『シティの大きい病院行った方が良いよ。エマージェンシーに行ったらドクターにすぐ診てもらえるから』

という一言で職場を抜け、Uberを呼んでシティまで行ってきました。

ちなみに事前アポイントなどは取っていません。

駆け込んだ先は教えてもらった『オークランド市立病院(Auckland City Hospital)』です。

公式ページ

オークランド市立病院への行き方

オークランドCBD近くにあるのですが、電車駅からはちょっと遠いので一番早いのは『バス』か『車/Uber/タクシー』を使うことです。

バスを利用する場合は、シティリンク70番のバス『Park Rd Opp Auckland Hospital』という駅で降りると病院のほんのすぐ近くまで行くことができます。

緊急の場合はこちら:Emergency Department

オークランド市立病院には、一般病棟の他に緊急患者を受け入れる『救急センター(Emergency Department)』があります。

症状にもよりますが、もし一刻を争うような状態の場合は迷わずこちらに向かいましょう。

Emergency Departmentは、病院の敷地内に入って奥の方に『Emergency』と黄色い看板で示されているので分かりやすいです。
(私も今回はこの救急センターを利用しました)

日本語は通じず。ある程度の英語力は必要

今回私を対応してくださったのは、受付から診察の説明、ドクターに至るまですべてネイティブの方々でした。

最初に調べなかったので、オークランド市立病院に日本人医師がいるかどうかは分からないのですが、私と同じように救急センターを利用する場合は恐らく日本語は通じないと思った方がいいです。

受付の方に症状を説明し、診察するまでの流れを聞き、看護師、ドクターと話すのも全て英語になるので、ある程度の英語は必要になるかと思います。

と言いましても、私にしてもそこまで流暢に話せるわけではないので、分からないことがあれば聞き返し、自分の症状を説明できればそこまで深刻に考えなくても良いとは思います。

(ネイティブの方だと話すのがとても早かったりするので、予め『少しゆっくり話していただけますか?』などと言っておくと大分助かります)

病院内部:診察の流れ

私が行ったのはオークランド市立病院の『救急センター(Emergency Department)』ですが、以下のような流れでした。

▽入口入ってすぐに受付窓口があったので受付

→自分の症状(腰痛)を説明し、立っていられないのですぐ診てもらいたい、できれば薬を貰いたい旨説明。

(受付のお姉さんに『そんな痛いの?手術する?』というのには慌てて断りました。手術はちょっと…)

▽受付で問診票を作成

→自分の情報(名前/住所/職場など)に合わせてどんな症状なのか、なにをしている時にその症状になったのかなどを詳しく記入。

▽案内に従って診察室へ

→『今から(診察室への)扉を開けます。この下に引かれている青いラインに沿って進んでくださいね』
→診察室にも受付と待合室があり、30分ほど待機。

▽名前を呼ばれ、診察室へ。問診票を元に看護師さんにさらにいくつか詳しい質問をされる。
→腰痛を和らげるため、薬を2種類処方されたので飲む。

▽さらに待合室で1hほど待機

▽ドクターに名前を呼ばれ、診察室へ。問診、触診など色々診てもらう(30分ほど)

▽そのままドクターに『こういうことだと思う』と自分の症状の説明を受け、薬の説明、ACCの説明、職場を少し休んだ方が良いと言われる。

→ドクターの指示である『Medical Certificate』という証書には職場を何日は休んだ方が良いことなどが書かれている。

▽診察終了。再度待合室で待機し、20分ほどでドクターから今回の診察の書類を貰い、完了。

※ACCが適用されたため、病院代金は0円でした。

受付で聞かれたこと:『GPに登録してる?』の『GP』って?

今回受付やドクターに『あなたGPには登録してる?』と聞かれたのですが、私が『GP』という言葉を知らなかったので調べました。

GPとはGeneral Practitioner(一般開業医)のことで、日本でいうかかりつけのお医者さん(病院)のようなものだそうです。

NZに住んでいると、このGPシステムに登録し、基本的に何かあったらその登録したお医者さんに向かうようです。

ということで、病院で『GPに登録してる=かかりつけの病院はある?』と聞かれていることになります。

ニュージーランドはホーム・ドクター制をとっており、健康上の相談や診療は、まず最初に医療センターやクリニックと呼ばれる医療診療機関でホーム・ドクター(「GP」General Practitioner)と予約を取ります(GPの診察費は通常$60~$70程度です。)

その後、専門医に見てもらう必要がある場合は、GPに紹介状を書いてもらいますが、専門医は一般に非常に高額の治療費がかかります。ほとんどの場合、10分程度の診察でも$100~$200かかるようです。

(ソース:在オークランド日本国総領事館サイト

ドクターの指示書:『Medical Certificate』

『Medical Certificate』はドクターが記入する証書のようなもので、ここに書かれていることが基本的な証明になります。

例えば上の画像が今回私が受け取ってきた『Medical Certificate』ですが、『IS UNFIT FOR WORK(仕事に向いてないですよ=休んだ方がいいですよ)』という欄に『FOR 2 days from 20/05/19』とあるのですが、これは『5/20から最低2日は仕事行っちゃだめですよ』というドクターストップです。

NZにはこの証書に基づく法があるそうで、私の現職も今はなかなかの人手不足なのですが、『Medical Certificate』を貰いました、というと休むことができました。

病院代金が0円!?NZの『ACC』とは?

今回何よりも一番驚いたことが、『病院代金がACCにより無料だった』ことです。

だってそんな、海外保険のキャッシュレスを利用したわけでもなく、(ワーホリビザ保持者とはいえ)NZ市民でもないのに、オークランドの病院代が無料!!そんなことがありますか!?

そんなことありました。

ACCとは:

ACCは(Accident Compensation Corporation)の略で、NZ国内で起きた怪我や事故に対しては患者の持っているビザの種類を問わずNZ政府がその病院治療費を負担するという素晴らしいシステム(かつ機関)の名称です。

ちなみにACCの公式ページにはこんな文章が掲載されています。

Help when you’re injured in an accident
Everyone in New Zealand is covered by ACC’s no-fault scheme if they’re injured in an accident. This includes children, beneficiaries and students. It doesn’t matter if they’re working, unemployed or retired. It also includes visitors to New Zealand.

The cover we provide helps pay for the costs of your recovery. This includes payment towards treatment, help at home and work, and help with your income.
(引用元:https://www.acc.co.nz/about-us/who-we-are/what-we-do/

つまり、NZに滞在している人間であれば誰でも、居住者でも子供でも職業あるなしも関係なく、さらには旅行者であってもNZ内の事故や怪我に対してはACCが補償するというもののようです。

また、その補償対象は治療費のみならず、事故に伴う一定額の給料手当などまで含まれるようです……

NZ政府が、ということはその財源は税金だと思うのですが、滞在者であれば誰でもって本当にすごい制度ですね…

※ただし、ものによってはACCが適用外となるケースもあるようですのでご注意ください。

『ACC』公式ページ

ACCについては下記のブログさんがとても分かりやすかったのでリンク貼らせていただきます。

ACCというシステム(NZらいふ:ニュージーランド生活情報、日々の出来事、そして子育て)

病院で処方された薬は『Pharmacy(薬局)』で買う

診察が終わった後に、ドクターから何枚かの書類を受け取りました。

内容は私の診察の結果が書かれた紙だったり、腰痛に対する助言の紙だったりしたのですが、その中に一枚薬について書かれた紙がありました。

すでに薬局に渡してしまったので手元にないのですが、内容は薬についての詳細と、こういう薬を処方してください、と薬局に向けた指示書でした。

ということで、病院で処方された薬は『pharmacy(ファーマシー)=薬局』で買うことができます。

オークランド市立病院の場合はその敷地内にも『pharmacy』があるのですが、閉まるのはなかなか早く18時頃には閉まってしまいます。

処方箋があればどこのpharmacyでも買えるので、私は地元のマウントウェリントンまで帰ってから、シルビア・パークの中にあるpharmacyで薬を購入しました。

シルビア・パークについてはこちら↓

『Pharmacy(薬局)』での薬の買い方

pharmacyは薬局なので、それぞれお店ごとに薬剤師さんが常駐しています。

お店のカウンターに行ってから、ドクターに貰った処方箋を見せ、『この薬が欲しいです』というと確認後に薬を出してもらうことができます。

今回処方された薬。

『Ibuprofen』『Paracetamol』という、炎症や熱を押さえるものと鎮痛剤が出されました。

お値段はびっくり、約1週間分の薬ですが、二つでたった『10ドル』でした。

これも薬に対してNZ政府の補償が効いているらしく、こんなに安価で薬を購入することが可能だということです。

まとめ

NZの病院には初めて行ったのですが、行くまで頑なに病院を避けていた自分がいました。

NZの物価や歯科治療が高いのは聞いていましたし、NZの病院もACCが適用されなければ初診の診察料だけで85ドルほどが平均と聞いていたので、海外保険に入っていたとしてもできれば大きなお金を支払うのは避けたかったのです。

ですが結果的に、NZの大きな病院でドクターにきちんと見て頂いて、初診であったり、エマージェンシーの部署に行ったにも関わらず病院代金は0円で支払いはなしでした。

ツイッターのNZ滞在歴が長いフォロワーさんにお伺いすると、ACCの制度も色々穴があったりするようですが、それでもこんな制度があることが本当にすごいと思いましたし、NZは素晴らしい国だと思いました。

・腰痛でオークランド病院に行ったが、ACCで代金が0円だった。
・ACCのシステムは患者のビザの種類を問わず(旅行者であっても)適用される。
・処方された薬の代金も、NZ政府の補償により安価で購入が可能だった。

昨日病院に行って処方された薬を飲み、すでに一日経過したのですが、おかげさまで腰の状態は昨日よりも大分快方に向かっています。

ありがとうございました、ドクター・グラント。

ありがとうございました、オークランド市立病院そしてACCとNZ政府!!

いやもう本当に、NZって素晴らしい国だと思います。